オーガニック農業で世界を変える!フランス視察ルポ!

フランス北西部のブルターニュ地方のコドン市に、2年前に開園したばかりに小さなオーガニック農園がある。

幹線道路を外れて、馬の放牧地を過ぎ、緑が多くなってきたところで、農園の入口を見つけた。

経営者の30代のフランス人男性、エリック・ケルニン、ブノア・ブシャーが出迎えてくれた。

2人に農業経験はゼロであるにも関わらず、30代での農園起業。 起業に至るまでの経緯と現在の活動についてインタビューをさせてもらった。

2015年にLe gcos chene農業学校の同期生として出会った2人は、2016年の7月から共同経営者として、オーガニック農園「La Ferme de Kerhet」の準備をはじめた。

エリックはグラフィックアーティストとしてなかなか芽が出ず、無職の期間も長った上に、就職もバスのドライバーになるのに研修期間で落第するなど、農業を始める前は苦労の連続だった。 そんな中、幸運にも両親から土地を引き継ぐことができ、土地の有効活用と地域活性化を考えた末に、オーガニック農業家の道を歩みことにした。

ブノアは繊維会社の社員として、フランスからインドに派遣され、そこでマネージメントを経験後、フランスでアパレル関連の卸売業界に転職したが、いずれの職場でも「人が真に人とし扱われない。 生産方法が人にも環境にも優しくない世界」にいることに限界を感じ、「全世界を変えられなくても、自分の手の届く範囲から社会や環境の為になることをしたい」と、オーガニック農業の道に飛び込んだ。

2人の努力のかいあり、2017年の5月1日に「La  Farme de Keret」は開園した。

現在農園で育てている野菜は、トマト、かぼちゃ、ナス、ズッキーニ、キュウリ、レタス、

人参、長ねぎ、ラディッシュ、キャベツ、インゲン、ベトラーブ、じゃがいも、ハーブ各種等。

初年度には寒さで人参が全滅、今年はトマトの苗がやはり寒さで一時壊滅的な被害を受けたり、ネギが夏前に蠅の襲来で被害に遭うなど苦労は常にある。

この苦労がオーガニック農園の一番の問題なのではないかと思ったが、一番苦労しているのは「営業」とのこと。

「野菜が育たないことの原因は農業家である自分達に原因追及はでき、改善できるが、まだまだ営業をし、販売先・顧客を見つけるのは難しい。」とのことで、2人で実務全般を担う為、まだ人手不足であり、今後、もう一人協力者を加え、3名体制で営業にも力を入れるようにしたいとのこと。

現在は開園から1年経ち、収穫高は2倍になり毎週土曜日の農園の一角での販売では、常連客も増え、ファーマーマーケットに出展したり、取り扱い小売店も増えてきている。

また、口コミ、SNSを通して市内での農園の野菜のファンの輪は日々増えている。希望企業には野菜の訪問販売もしているとのこと。 2人がの望んでいた「自分の足元から世界を変えていく、地域の活性化」の動きは確実に芽生えている。

土曜日の販売時の様子も見に行かせてもらった。 若い層から、家族客、年配まで購入者の年代は様々だ。 買い物客の国籍は主にフランス人だが、近隣に住む日本人女性も購入者の一人とのこと。

常連客の買い物客の女性は「野菜の質が素晴らしい。 値段も良心的だ。採れたての野菜だから、まとめて買っても長持ちする。 スーパーで野菜を購入すると流通の過程で時間をえている分、いたみが早い。」

直接販売の為、値段もオーガニックなのに大変リーズナブルだ。

例えばトマト1㎏は2.5euro(スーパーだと3~4 euro)

ただオーガニックと言っても虫食いの物は自家消費し、販売はしない。「オーガニックだから虫喰いもというイメージを払拭する為に、完璧で質の高いものだけを顧客提供したい。」とブノア。

当面の目標は顧客の増加と現在の集客高の倍の収穫量を得ることだが、海外展開への質問に関しては「二酸化炭素排出量の問題を考えると、環境に良くないことはしたくなく、現在は検討していない、地消地産の考え方を主にして自分の手が届く範囲の世界を変えていきたい。」

 

残念ながらシンガポールではこの野菜の味を味わうことが出来ないが、こういった取り組みが増えることで、世界でも更にオーガニック農業が広がるをみせるのではないかと思う。

 

【インタビューを終えて】

手が緑になるまでトマト摘みの体験もさせてもらい、獲れたての有機野菜を頂いた。 野菜の濃い味が五臓六腑に染みわたり「毎日食べたい・・・・。」と切に思った。

フランスでは食の安全に対する消費者意識が高まる中、有機農業は急速な拡大を見せている。政府は2020年までに20%に引き上げる目標を打ち出しているが、まだまだ有機農業はメインストリームにはおどりでではいない。 ただ、2人もそうだったが、フランスのアグリエコロジストであるピエール・ラビの思想に共感し、有機農業家を目指す若者も増えている。

 

【農場の情報】

La Ferme de Kerhet

住所:9, Kerhet, Caudan

Tel : +33 6 47 84 87 15

http://www.fermedekerhet.fr/

https://www.facebook.com/fermedekerhet

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